Who cares

Who Cares? | バレエ

『Brahms-Schoenberg Quartet』（1966年）は、バランシンが手がけた最初の抽象的な作品です。振付家バランシンは、室内楽は大規模なバレエに向かないと語っていました。というのも、室内楽は「長すぎて繰り返しが多く、小さな空間向けに作られている」からです。1930年代、アルノルト・シェーンベルクはヨハネス・ブラームスの『ピアノ四重奏曲第1番 ト短調』を管弦楽編曲し、同様の不満を表明しました。サンフランシスコ・クロニクルの音楽評論家アルフレッド・フランケンシュタインへの手紙で、彼はその理由を次のように説明しています。「1. この曲が好き。2. めったに演奏されない。3. 演奏されてもいつもひどい。腕の良いピアニストほど大音量で弾くので、弦の音がまったく聞こえない。一度すべての音を聴いてみたかった。それが実現できた」。バランシンはこのシェーンベルク版を採用しました。『Brahms-Schoenberg Quartet』は、ブラームスの四重奏曲の4楽章に沿って構成された、55人のダンサーによるダイナミックな一幕バレエです。各楽章には独自の雰囲気、スタイル、エネルギーが宿っています。

ジョージ・ガーシュウィンの音楽に振付けられた40分のネオクラシック・バレエ『Who Cares?』は、ジョージ・バランシンの作品の中でも最も喜びに満ちた作品のひとつです。タイトルは、1931年のミュージカル『Of Thee I Sing』のためにジョージ＆アイラ・ガーシュウィン兄弟が作曲した同名の楽曲から取られています。ニューヨーク・シティ・バレエの共同創設者リンカーン・カースティンは「ガーシュウィンの名曲は、永遠のマティーニのような古典的な新鮮さを保っている。ドライで率直、爽やかで、完璧に仕立てられ、かすかにレモンの刺激が効いている」と記しています。『バレエ・レビュー』のロバート・シーリーは「このテンポの速い、粋なバレエは、フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、そして1930年代の活気ある精神を思い起こさせ、アメリカらしい躍動感と独特のエネルギーに満ちている。『Who Cares?』は素晴らしい。劇場でこれほどまでに舞台へ飛び込んで踊りたくなったことはない。これは純粋で、ありのままの、混じりけのない歓喜だ」と語っています。

プログラムとキャスト

Brahms-Schoenberg Quartet
振付：ジョージ・バランシン
音楽：ヨハネス・ブラームス（編曲：アルノルト・シェーンベルク）

Who Cares?
振付：ジョージ・バランシン
音楽：ジョージ・ガーシュウィン（編曲：ハーシー・ケイ）

国立歌劇場管弦楽団